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dicelogue

@dicegeistのlog

ストーリーとして語ること、問題を見つけ出すこと、自分から察することについて

(以前のTwitter連投より)

傾聴ということの狙いのひとつは、こちらが邪魔をせずに話を促すことで、その人の中でモヤモヤとしているイメージの言語化、整理がされるようにしていくこと。
否定的に割り込むとそれへの反論を組み立てる方向にシフトしてしまうので、まずはその人の今抱えているものの形を浮かび上がらせること。

ただ、「この限られた時間に、このことを相談したい」という構えがないと、そうした語りは生じにくい。一人であれこれつぶやくのと、人に向けて伝えようとして話すことは違うので。

カウンセリング界隈では、ある種の発達障害特性がある人は、自分の抱えているあいまいなものを、主訴として、そしてカウンセリングの進行の中で深まっていく語りとして紡ぐことが苦手なんじゃないか、ということが言われていたりして。

語ることは、ストーリーを作ること。
「語る」と「騙る」が同じ読みなように、ストーリーを紡いでいくと、それは必ずしも事実と同じではないかもしれないけれど、それでいい。
ストーリーの中に役割を持った存在として、あるいは感情の主体として自分を位置づける。それを話すことで展開する。

客観的に状況をとらえるのが得意な反面、抽象的な関係をとらえることや感情の言語化が苦手だと、こうしたストーリーを描くことが難しい。
古くは左翼、今ならネウヨのような形で、あるいはオウムのような形で、ストーリーを取り込めば、それで安心ができたりする。
でも、その主人公にはなれない。



自他の区別ということもあるけれど、自分で感じたことを元に、自分の意思を持って、自分の判断をする姿勢というのは、ある面では、待たないと、育たない。
聞き分けが悪かったり、注意の転導性が高かったり、あるいは逆に聞き分けが良すぎたりすると、どんどん声をかけずにはいられないのだけど。

お昼ごろに見かけた、ADHD特性がある子が、床に落ちているゴミをうまく見つけられないという話。
自閉症スペクトラム特性があると、日々の生活、サイクル、ルーチンの中で、何かが引っかかっている違和感を感じても、どこが問題なのかを切り出しにくい、物語化しにくい、ということではないか。

人工知能研究の中で言われる、フレーム問題 http://www.ai-gakkai.or.jp/whatsai/AItopis1.html というのも、問題の適切な切り出しができるかどうか、と考えられる。
シンプルに取り出された問題には対応できても、そうじゃないことへの対応は難しい。

勉強や仕事などで「問題を自分で作れるか」「課題を自分で発見できるか」というようなことがいわれるのは、こうした切り出し能力、あるいは物語化能力のことを指している。

仕事術なんかで、メールの受信箱や、タスクリストをしっかりとテキパキと片づける、ということなんかが言われたりするけれど、これは、明確化された課題への対応。
組織の中で、あるいは日常生活を回す上で大事なことなんだけど、人間そればかりではない。




人間関係、特に夫婦間や恋人同士などの親密な関係や、あるいは甘えていたい子どもと親の間では、言わなくても察してほしい、というのは自然なことなんだけれども、いろいろな事情(発達特性や、多忙・不調によるキャパシティー低下など)で、その察するのを苦手な人が一方にでてくることがしばしば。

ふつうは、どちらか一方が察してほしいと感じて、もう一方がそれに気付き損ね続ける、というような形になる。交互にすれ違い、というケースもないではないけど。
そんな時、もう一歩ずつでも歩み寄りができるといいけど、察しにくい方はどうすればいいか。特に受け身タイプ・課題対応タイプなら?

一つには、リマインダーに登録して、毎日一定の時間に、相手が何をしてほしいかを考える、なんてやり方もあるかもしれない。味気ないかもしれないけど。
ただ、せっかくなら、もっと前へ行けるようなイメージはどうか。
日常生活、いろんなことがある、その中で、特別なプロジェクトを立ち上げる。

プロジェクトというのは元の英語からして、前へ向かって投げていく感じ(映写機はprojector、あるいは何かから発射されたものはprojectile)で、うってつけなのです。
何を相手から求められたわけでもないけど、自分からこういうことをしてみたらスゴイんじゃないかってタクラむ。

なんだか、段々とギクシャクしてきているような気もするけど、なにがどうなのかわからない、どう手を打っていいかわからない、という時こそ、プロジェクトを打つ。ルーチンから外れたことをする。

でもね、これって、察するのが苦手な側には、すごくハードルが高いことなんです。
というのが、こうした相手の微妙な心の機微をつかむのが苦手なタイプの人は、あるいは機嫌のアップダウンが激しいタイプの相手で機微を読みづらい関係状況の人は、失敗体験を積んでることが多いので。

これまで生きてきた中で、時々、自分からちょっと提案、働きかけ、お誘いなんかをしてみた時に、うまく読めてなくて手酷く失敗した体験、頭ごなしに叱られた体験が重なっていくと、段々に萎縮していって、受け身特性が強化されちゃうため。
人間関係強者の側の人が、そこへの配慮も持てると良い。

仕事でいえば、言われた仕事だけを黙々とやる人と、自分から次々に問題を発見して新しい事業を開拓していく人との間に、ちょっと気づいたことはあるけれどうっかり口にして上司に睨まれないか心配で黙っている、という人がいる。
人間関係の持ち方のタイプが違う2人が、こんな上下にならないように。

ダラダラと長くなったな。

dicegeist(@dicegeist)/2015年06月27日 - Twilogより。